コラム(現世)

キッチンに固定され、動かせないまな板。
野菜、魚、肉。
料理となる素材がまな板の上に運ばれ置かれている。
何もしなければまな板の上で腐ってゴミになる。

野菜にも魚にも肉にもまな板に運ばれるまでの物語がある。
鍋や包丁、調味料などを持ち込んで素材を料理することができる。
料理するのが自分。

これらの素材を使って和食を作るか、中華を作るか、フレンチを作るか。
何を作るかあなたは自由にできる。

人生はいつでもチャンスがある。
ただしあなたが今からしたいことに対していつでもチャンスがあるとは限らない。
使いたい素材はすでに使ってしまったかもしれない。
腐って廃棄したかもしれない。

できる料理人は今まな板の上にある素材の中で美味しい料理を作る。
夢は押し通すのではない。
今、目の前にある状況(素材)をチャンスとして利用することが夢を叶えるということ。

あなたが願っていることは自分が作りたい料理を作るというエゴではないだろうか。
でもまな板には作りたい料理を作る素材が置かれていない。

私はどうしても昆布で出汁を取りたい。
しかし目の前にあるのはしいたけ、煮干し、鶏ガラ。
他のものでも美味しい出汁が取れるのに昆布でなければいけないと騒ぎ立てる。

素材を活かせない生き方はとてつもなくきつい。
許せないことが多すぎる。
チャンスを捉えるということは目の前にある全ての出来事をチャンスに変えるということ。
全ての出来事をチャンスに変えるということは全てを許すということ。

不運を消したり無くしたりするのではなく素材を活かせない自分のエラーに対して許しを請う。
すると目の前に起きていたといかなる不運もチャンスに変わると気づく。
自分の我と利益を押し通すことをやめると不運が素材になる。

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